青いドレスに全身を包み、ピアノの前に座る。どことなく中庸な顔立ち。いつか見たかわいらしい少女のようでもあり、近所の憧れのお姉さんという雰囲気でもある。
バンドの構成はドラムとコントラバス。ときどきギター。
力強さとしなやかさが組み合わされたようなタッチのピアノを弾きながら歌う。例えるなら「力強い吐息」。声はノラジョーンズなんかに近いものがあるがいわゆる癒し系とはちがう。
聞く人をそこから動かさないまま、体にまとわりついた日常の嫌なものたちを吹き飛ばしてくれるような力強さがあるのだ。その一方で、変わることこそが自然、変わり続けることがあなたらしくいること、と勇気付けてくれるようでもある。
中庸な顔立ちだから、てっきり外国の方かと思ったら、日本語がとても流暢。MCはほとんど日本語で行っていた。多くの曲は英語詞だが、日本語でも歌う。母親が日本人で、父親がアイリッシュドイツ系アメリカ人。幼少期から大人になるまでのほとんどをアメリカのシアトルで過ごしたらしい。
曲調は全体的にファンタジックな印象を与え、ドラムが小気味いいリズムを刻む。ブラシも多用するため、ファンタジックな曲調に色身を加え、小さな音の粒が舞う。ときおり弓を使って引くコントラバスもいい。
いくつもいいなと思える曲があったが、「登り坂」という曲の歌詞が印象的だった。
「登り坂の数だけ強くなれる」
英語詞だと、全体的にジャジーでファンタジックな音を聞かせるのに、日本語詞だと、どこか昭和臭いというか、民謡のような響きをするのも彼女の魅力だ。
これからも聞いていきたいなと思える人でした。
やっぱり生の音楽は最高です!
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